Friday, June 17, 2005

お洗濯の話。A Story of Laundry.

そう、いつもこの話をしたいと思っていたのですが、ついつい別の話題になっていました。
提案してくださったMiakoさんありがとう。

スイスで暮らす前からスイスには「洗濯の日」といのがある…ことは知っていたので、このお決まりはさほど驚くことではありませんでした。
昨年の秋に2週間ほど暮らしたアパートでは、浴室に洗濯機があったので好きなときにお洗濯ができて良かったのですが、現在のアパートでは2台の洗濯機を19世帯で順番に使っています。
日本では1家に1台の洗濯機は当たり前です。しかし、ここでは環境とコストを考え、集合住宅で暮らす人たちは洗濯機をみんなで使っています。

 1戸建て住宅の人は、もちろん自分専用の洗濯機があります。また、自分の部屋に洗濯機を置くことも可能ですが、基本的にスイスの集合住宅の部屋に洗濯機置き場は存在しません。

PICT0033

 
 上の写真は私たちの暮らすアパートの共有洗濯機です。それぞれの家庭、集合住宅によって新しい機械、古い機械など様々ですが、基本的にたて型で、水の使用量も日本よりはるかに少ないタイプです。
 ドラムの中にギューギューになるまで洗濯物を詰め込みます。
 以前は色物と白い洗濯物を分けていたのですが、色物専用の洗剤を使うと色落ちしないので、今はまとめて洗っています。(もちろん、色物をはじめて洗濯するときは別にしますが。)

 共有の洗濯室には乾燥機、洗濯物干場が用意されているのが基本です。私たちのアパートのシステムでは、料金を前もって専用カードに30フランずつチャージしておきます。1回の料金は「洗いー脱水ー洗いー脱水」の1時間コースが基本的に3フラン程度。ただし、短い時間で済むタイプ等は安くなります。
 乾燥機も基本は3フラン程度。ただし、共有スペースに洗濯物を干して、大きな温風扇風機を使うとタダなんです。

 初めてこの洗濯機を使った時、コンシェルジュ(管理人さん)から説明を受けたのですが、その時の私のイタリア語の能力では理解がむずかしく(フランス語はもってのほか!)、説明書(ドイツ語・フランス語・イタリア語)を隅々まで読み返したものです…。
 ようは、左上の入れ物に洗剤、柔軟剤をいれてダイアルで水温と洗う度合いを調整するだけなんですけどね。他にもいろいろ裏技らしきものがありそうですが、トラブル回避のため、基本的な操作しかしません。

 これまでは週に1度、水曜か木曜の午後5時〜8時までと翌日の朝7時〜午後5時までが我が家の『洗濯の日』だったのですが、なななんと〜次回からは2週間に1度しか使えないようになったのです!!!
 これにはさすがに「スイスの馬鹿やろう!」と言いたくなりました…とほほ。
 
 今までは洗濯をする所帯数とスケジュールがうまくかみ合って、週に1度の順番が廻っていたのですが、
どうやら、新しい住人(スイス人でしょう…)が来るようでそのために転勤族の我が家と、フランス人カップルのシューシャン達がターゲットにされたようです。
 コンシェルジュのマダム曰く、「ごめんなさいね〜。転勤の多いあなた方に我慢して頂くけど。なんせ、ここの住人(分譲で暮らす人、引っ越さない人…という意味)の日付は動かせないから…。シューシャンとはお友達でしょ、二人でうまく洗濯の日を調整してね…。」ですって…。
 
 スイスで暮らす外国人の最初の悩み…それはまぎれもなくこの『洗濯』なのです。
 そして、お友達や同僚をお茶やランチ、ディナーに誘うとします。
 するとこんな返答もここスイスでは通用するのです。その返答とは…
 「あ~、行きたいけど今日は洗濯の日なんだ。ごめん。」
 こんな返答を日本(ほかの国でも)でしようものなら、ひんしゅくもの…ですが、洗濯をする日が決まっていて、厳格にそのルールが守られているこの国ではこれもOKなのです。
 
 中には週に1度、お昼の12時半から13時までしか洗濯のできる日がない!という決まりの人もいるんです。仕事をしている独身の人はかなりつらい…はずです。

 さて、この洗濯問題を解決すべく、我が家では大きめのバケツと洗濯物干し(折りたたみ式でつかいやすいですよ。)を購入し、手洗い洗濯を慣行することにしました。
 タオルなどの大きなものは洗濯機に頼りますが、下着や仕事用のYシャツくらいは手洗いの方が汚れを落としやすいと思います。
 おそらく同じように洗濯の日が2週間に1回になってしまったフランス人カップルも困っているでしょうから、お互い時間と日付を相談して助け合いますよ!

 「1家に1台洗濯機」が当たり前の日本ではスイスの「洗濯ルール」が奇妙に思えるかもしれませんが、
ある意味、環境にやさしい方法だと思います。
 みんながきちんとルールを守れる環境が整っているスイスの良さを反映していとも思えます。
 
 「郷に入っては郷に従え。」のことわざのとおり、自分のスタンダード(標準)を柔軟に変化させることが「海外らいふ」を快適に過ごす秘訣と思うのですが、皆さんどう思います?
 
 

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