Monday, June 13, 2005

月曜日です。Monday.

週末は木曜からイタリアへ戻り、マヌパパのお見舞いと私たちの挙式準備で大忙しでした。
挙式の日付が決定したのは日曜の午後。あと1ヶ月半しかありません。その間で、普通なら半年から1年か けてする準備をぜ〜んぶやります。
 かなりマイペースでお気楽な私たちも、ようやく本腰をいれました。これからは毎週末ごとにイタリアへ 行くことになります…。とほほ。
 夏はスイスでのんびり!なんて思っていた淡い思いは…どうやらおあずけのようです。

 さて、週明けの今日、Bambinaはヴヴェイの皮膚科のお医者さんを訪ねました。
別になにか病気だとかということではないのですが、顔のシミや足にある黒いモール(あざというか、なん
というか…)など調べてもらいなさい、とマヌが予約を入れてくれていました。
 先生はおそらく70歳を過ぎているかとおもわれる紳士な先生でした。お顔は石けんで洗って、あまりオ
イルっぽいものは顔に塗らないこと…と言われました。一緒に処方してくれたのはTゾーンに塗るお薬。夜
だけ使うのだそうです。
 診療は短時間だったのですが、その後の先生とのおしゃべりが楽しかったです。
20年ほど前に皮膚科の会議で東京・横浜へ行き、京都にも行かれたそうです。ただ、英語を話せる人がい
なくて、道に迷った時に大変だったとも言われていました。

 その後、話はさらに「スイス人で日本に10年住んだ人が書いた本があって、面白いから読んでみなさ
い。」 とすすめられました。筆者はBouvier。『Japon Japonais』というフランス語題。
  簡単にお話してくださった内容は、筆者のスイス人が最初の半年は何も日本語、日本文化が分からなかっ
たけれど、2、3年すると言葉も分かるようになって日 本の生活が楽になった。そして、最後の10年が
過ぎた時、結局は日本のことがなにも理解できなかった…という内容だとか。
  確かに、日本という国を理解するには一生かかるかもしれない…と日本人ではあるけど、Bambinaはふと
納得するのでした。
 
【日本語訳を見つけました。:Nicolas Bouvier/ニコラ ブーヴィエ】
 『日本の原像を求めて』

 そしてさらに私たちの話は60年前の先生のお知り合いの話へ。
  第2次世界大戦中にスイスの日本大使館にいらっしゃったという「NOBORU MORIYAMA」さんはどうしているのかな…とおっしゃたのです。その大使館員のお子さんは当時6歳でフランス語も何も分からずにスイスにやって来たけ れど、翌年には飛び級をするくらいに優秀なお子さんだったとか。
 ただ、大戦が終わった後にそのご家族がどなったのかは分からない…とおっしゃいました。
 60年経った今でも、名前と家族のことなどハッキリ覚えていらっしゃることを考えると、おそらく
親交が深くおありだったと感じます。

 何か力になれるといいのですが…。

 実は、Bambinaはこれまでいろいろなスイスのクリニックを訪れたのですが、どの先生方も日本に対して
何らかの素敵な思い出をお持ちでいらっしゃるんです。
 ある先生は、「学生時代のガールフレンドが日本人だった」とか「旅行で訪れた京都がとてもすばらしかった」とか…。
 そういえば、ニューヨークからイタリアへ向かう時に飛行機内の座席がとなりどうしになった78歳のイタリア系アメリカ人の男性がある素敵なお話をしてくださったことがあります。
 第2次世界大戦後のGHQ指揮下で日本に駐留していた時、ある田舎町へ出掛けたその男性は反対側を歩いていた日本人の女性に一目惚れをしたそうです。
 そしてそのまま彼女の行く先までついていったそうで…。その行き先は歯医者さん。
 彼女を見たいがためについて来た男性は、虫歯なんてなかったけれど歯医者さんの入り口をくぐり…。
 幸運にも、その歯医者さんは英語の出来る方だったそうで、一目惚れがきっかけでその歯医者さんとは家族ぐるみで仲良しになったそうです。
 一目惚れをした相手の女性はその歯医者さんの娘さん。その男性は、歯医者さんの家族を訪ねるたびにドキドキしていたそうです。
 
 そして、一番印象に残っている…という話をしてくれました。
「大好きだった娘さんがテーブルでリンゴをむいている姿がとても美しかった…。」

 結局は駐留期限が切れてアメリカへ戻ることになったそうですが、何十年経った今でも、彼女のことを思い出すそうです。
 そして、その淡い想い出は、機内で私に会うまで誰にも話したことがなかったそうです。
 お話をされる間のこの男性の表情は、おだやかで優しいかったな…とBambinaは今でも覚えています。
 
 きっと、人間って年をとっても、素敵な想い出がある限り、いつまでも輝いていられるのでしょうね。

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